先生がいてくれるなら①【完】
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放課後の数研部室──。
「立花さんのクラス、初日のステージは何するの?」
数研部長である三年生の葉澤先輩が、各クラスの出し物の聞き取りをしていた。
「ステージは雄志のダンスです。模擬店はありきたりですけどコスプレ喫茶に決まりました」
私がそう言うと、なぜか部員全員から控えめながらも「おおーっ」と声が上がる。
「立花さんは、ダンス出るの?」
「いや、出なきゃ駄目だよ」
「──それよりコスプレは、どんなのを着……」
部員が口々に意見を言っているので、何を言ってるのか全く聞き取れない状況になってしまった。
「はい、静かに!」
そう言って割って入ったのは、ジキル博士──いや、藤野先生だ。
「立花のクラスは分かったから。次、一年の出し物の聞き取り」
「……じゃ、1年1組の出し物は──」
先輩が一年生5人の出し物を聞き取って、ノートに記録する。