先生がいてくれるなら①【完】
文化祭は文化部にとって一年に一度の発表の場なので、基本的にはステージやクラス模擬店よりも部活のシフトを優先するんだけど……
「立花さんは、クラスの方のシフトを優先して良いからね」
葉澤部長はそう言って、私のシフト表の欄に赤ペンで『クラス優先』と書き込んだ。
「えっ、でも、私も数研の店番した方が……」
「じゃあ、初日のステージ終わったらお願いしようかな。みんなもそれで良いよね?」
葉澤部長の言葉に、全員がうんうんと頷く。
私はチラリと藤野先生の方を見たけど……当然、表情など分かるはずがなかった。
ステージに出られることになったのは、素直に嬉しい。
配慮してくれた部員のみんなに、心から感謝です。