先生がいてくれるなら①【完】
色々考えてると、光貴先生は飲み終えたコーヒーの紙コップをゴミ箱に捨てて「お兄さんの病室、行こうか」とにっこり微笑みながら言って、歩き出した。
「あっ、あの、光貴先生っ」
「はい」
私は光貴先生の少し後ろを歩く。
すると光貴先生が振り返りながら「今日はいつもより来るのが遅いね?」と聞いた。
「あ、はい、いま文化祭の準備をしてて全然来られなくて」
「そっか、文化祭があるんですね」
「はい、明日と明後日です」
「そう、準備はもう良いの?」
「はい。今日は早めに帰ってゆっくり休もうって事になって」
光貴先生は「うん、その方が良いですね」と微笑む。
──うーん、この兄弟はどうしてこんなに綺麗なのかな。