先生がいてくれるなら①【完】
私は先生の服の裾をツンツンと引っ張ると、ようやく、ギギギと擬音がしそうな動きで私の方に首を動かして私を見る。
「誤解されたままで大丈夫なんですか?」
私が小声で先生に問いかけると、先生は「まぁ、いいんじゃない?」と答えた。
……いいんだ。
とても良いとは思えないけど。
「それより、食べないとなくなるから取っておいで」
「はい……」
私は適当にお皿に料理を盛りつけて……先生に手渡した。
「お前のじゃないの?」
「もちろん今から私のも取りますよー。あ、何か苦手な物乗せちゃいました?」
「いや、大丈夫だけど」
「良かった」
リョウさんが作った料理はビュッフェ風に大皿に盛りつけてあってどれもとても美味しそうだし、食べると実際とても美味しかった。