先生がいてくれるなら①【完】
「じゃ、孝哉の可愛い彼女に、かんぱ~い!!!」
乾杯の音頭を取ったのはカズキさんと言う人。
いやいやいや、彼女じゃないですから!
ただの生徒です、と言うか、下僕なんですっ!
「あの、私、彼女じゃないです、ホントに!」
必死に訂正を試みるが、飲み放題食べ放題を前に、誰も話を聞いてくれない。
「先生、なんとか言って下さいよ~」
私は先生に助けを求めるが、相変わらず無表情で微動だにせず、唯一さっきと変わった所と言えばユキさんに手渡されたウーロン茶のグラスを手に持っていると言う事ぐらいだった。
先生……自分で撒いた種は自分で回収して下さい……。