先生がいてくれるなら①【完】
──どれぐらいそうして泣いていただろう。
お父さんとお母さんの顔が、閉じた瞼の裏に浮かんだ。
お父さんは単身赴任で遠くに居るから、年に何日かしか会えていない。
前回会ったのは、お兄ちゃんの葬儀の時だった。
お父さん、元気かな。
風邪引いたりしてないかな。
お母さんが「泣きすぎたら脱水症状になっちゃうわよ!?」と言っていた事を思い出す。
お兄ちゃんが亡くなって私が毎日泣いていたとき、お母さんはそう言って私に飲み物を渡してくれた。
「……ぅうっ……っ」
しばらくの間泣き続けていたが、やがて私は埃っぽい手で涙を拭った。