先生がいてくれるなら①【完】

すすり泣きながら、ふと、藤野先生の事を思い出す。


そう言えば、今日帰る前に数学準備室に行く約束をしていたけど……先生は覚えているだろうか。


私が忘れっぽいから、帰ってしまったと思ってるかも知れない。


「うぅっ、せんせ……」


もう一度会いたいよ、先生──。



しばらくうずくまって泣いた後、今度は亡くなったお兄ちゃんのことを思い出す。


ずっとここに閉じ込められたままなのだとしたら、私はお兄ちゃんの元に行くことになるのだろうか。


だったら。

お兄ちゃんに会いたい。


もしお兄ちゃんに会えるなら、このまま命の火が消えても良い気もする。



涙が次から次へと溢れ、頬をとめどなく伝った。



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