先生がいてくれるなら①【完】
「えっ……? 藤野先生!?」
予想通りの反応を楽しんでいるうちに、宮原町に入ったようだ。
「家、どっち?」と聞くと、ここで降ろせと言う。
なんだコイツ、どんだけバカなんだ?
危機感なさ過ぎて、ホント怖いわ。
そもそもこんなひと気の無い場所で降ろして何かあったら、俺の寝覚めが悪いわ。
それにしてもこんな時間に制服で外をウロウロしてるなんて、コイツ、大丈夫か?
とりあえず軽く説教して、家の前に着ける。
立花がシートベルトを外そうとした時、言っておかなくてはならない事がある事を思い出し、手を掴んでそれを制した。
驚いた顔でこちらを見上げている。