異能者達の宴~夢の競演特別編~
最初は俺を警戒していたその美人…黛さんというらしい…も、やがて俺に敵意がない事を悟ったのか、女の子…ななみちゃんを診せている。

とはいえ、俺は治癒魔術は使えない。

こういう時には…。

「よっと」

俺はななみちゃんを抱き上げた。

「お、おい、宮川、どこへ…!」

「ついてきてくれ。悪いようにはしない」

俺は歩き出す。

まずはこの子…ななみちゃんの傷の手当をしなければならない。

結構な深手だ。

病院に連れて行ったら色々詮索されるだろうし、何より治癒に時間がかかる。

『あいつ』に任せるのが一番手っ取り早い。

「おい!どこへ連れて行く!?」

俺の肩を掴んだ哲平に振り返り。

「安心しろ」

俺は笑みを浮かべた。

「お前もよく知っている奴のところだよ」








俺は哲平達を連れて歩き出す。

その背後に迫る、人影にも気づく事なく…。








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