異能者達の宴~夢の競演特別編~
「それにしても」

メグさんが小山田君を見た。

「覚醒者ね…だから私があの時言ったでしょ?…『あんな予防接種、よく受ける気になるわね』って」

「……」

メグさんの皮肉も、小山田君は軽く受け流してソファに座っている。

その様子を見て、彼女も何か感じるものがあったのかもしれない。

「ま…それなりの修羅場を経験してきたらしいわね…あんまりいじめないでおいてあげる」

そう言ってさっさとキッチンの方へと向かった。

「メグの淹れる紅茶は美味いんだ」

修内太君が屈託なく笑って見せた。

「あ…お礼が遅くなったけど」

私は修内太君の顔を見る。

「ありがとう、助けてくれて…もし修内太君が通りかからなかったら、私達どうなっていたか…」

「いえ、気にしなくていいっすよ」

修内太君はまた笑顔を見せる。

同じ年齢の小山田君と修内太君。

でも修内太君は、歳相応の少年という印象を受けた。

きっと小山田君のように、人を殺めた事なんて一度もないんだろう…。

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