異能者達の宴~夢の競演特別編~
目の前にいるのが只の少年?

冗談じゃない。

私には口が裂けても、彼が『只の少年』だなどとは言えなかった。

何なの、この少年の威圧感は。

言うなれば、小さな体の中に、高密度の『何か』が押し込められているような。

その高密度の『何か』が、今にも爆発して溢れ出してくるような。

そんな息苦しくなるような威圧感。

「油断するな、宮川」

哲平が呟く。

「外見に騙されると痛い目に遭う…こいつこそが異形者だ」

「え…?」

修内太が不用意に哲平の方に視線を向ける。

それが合図だった。

「…死んでよ、お兄さん達」

少年がポツリと呟く。

次の瞬間!

「!?」

少年の左腕が、一瞬にして肥大化した!

華奢で小さな少年の左腕が、爆発的に太く、大きくなったのだ。

例えるならば、左腕だけ巨人の腕を移植したかのような不釣合いな姿。

はちきれんばかりの隆々とした筋肉を持つその左腕で。

「まずは3号…小山田哲平ね」

少年は、哲平に殴りかかった!


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