異能者達の宴~夢の競演特別編~
とりあえず迂闊に異形者の懐に飛び込む事はできなくなった。

攻めあぐねる俺と四門。

「四門、宮川」

俺は二人に言った。

「二人で何とか奴の両腕を封じる事はできないか?懐にさえ入り込めば、俺が一発でかいのを叩き込める」

「簡単に言ってくれるわね」

四門がジロリと俺を睨んだ。

「モタモタしてたら逆に貴方が奴の餌食になるわよ?素早く懐に潜り込まないと」

「ああ…それについては考えがある」

俺は四門を見る。

「頼めるか?」

俺の言葉に、四門は小さく溜息をついた。

「元クラスメイトの頼みだもの、無碍にはできないでしょ?」

「…恩に着る」

俺はかすかに笑みを浮かべた。

「…そういう事よ修内太!出し惜しみしないで!」

「了解!」

四門と宮川。

二人は行動に移った。

「くらえぇっ!」

宮川が、先程よりも大きな…言うなれば槍のような矢を右手から放つ!

その矢は異形者の左腕をも貫き、地面に串刺しにした!

反撃とばかりに右手の触手を振るう異形者。

だがそれさえも。

「       っ!!」

四門の風の刃が微塵に切り刻む!

異形者は一瞬にして両腕を封じられた!

「今よ、哲平!」


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