異能者達の宴~夢の競演特別編~
風の刃を以ってしても、異形者の肥大化した左腕は切断できない。

「なんて頑丈な腕なの。嫌になっちゃうわね」

舌打ちする四門。

異形者は左腕でしっかりとガードを固めつつ、右手をこちらに向けた。

その右手の五指が。

「!?」

まるで触手のように長く伸びて襲い掛かってくる!

「くっ!」

四門の強化の魔術の効果もあり、俺はその触手を回避する事に成功した。

「この野郎!」

宮川が更に矢の魔術を行使して、異形者の動きを封じようとするものの。

「っ」

異形者は左腕を盾のように扱って、矢を全て防ぐ。

…思った以上に知恵が回る。

その上、あの右手の触手があれば、遠距離からの攻撃も可能という訳だ。

「遠い間合いから攻撃できる分、こっちにアドバンテージがあると思っていたのに…」

四門が歯噛みした。

「作戦を練り直す必要があるわね」


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