異能者達の宴~夢の競演特別編~
甲殻だけではない。

俺が矢の魔術で貫いた巨大な左腕も、メグが風の刃で切断した右手の触手も、いつの間にか再生している。

「恐らく…」

ななみが呟く。

「異形者は…強力な攻撃を受ける度に…それに対抗する為に…肉体を変化させていく…」

「じゃあ、攻撃すればするほど強くなっていくって事!?」

黛さんが驚愕する。

「冗談じゃないぞ…」

俺は背筋に悪寒が走るのを感じた。

攻撃する度に強くなるだって?

そんな化け物、どうやって倒せばいいんだ!?

「最後の切り札に禁呪を使うって手もあるけど…メグの負担が大きいしな」

ない知恵を振り絞って考えてみるものの、いいアイデアは浮かばない。

こうしている間にも、ゆっくりと異形者は近づいてきている。

と。

「お、おい、メグ?」

突然。

メグが背を向けて歩き始めた。


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