異能者達の宴~夢の競演特別編~
らしくもない。

まさかメグほどの奴が、尻尾を巻いて逃げるっていうのか!?

「おいメグ!」

呼び止めようとすると。

「修内太、哲平」

メグはクルリと振り返った。

「20分…いえ、10分時間を稼いでちょうだい」

彼女はそう言って、風の刃で自らの左手首を傷つけた。

そこから流れ落ちる鮮血…。

「まさか、メグ…」

俺はハッとする。

この光景、前にも見た事がある。

魔女ガーラ・エルウィンドとの戦いの時に…。

「私達だけでは埒があかない。強い攻撃力を持つ『助っ人』を呼んでくるわ…魔方陣を描く間、異形者を近づけないでちょうだい」

「わかった!任せろ!」

俺は大きく頷き、哲平のそばに駆け寄った。

「何だ?四門は一体何をしている?」

訳のわかっていない哲平に。

「10分時間を稼ぐ。哲平、力を貸してくれ」

俺は力強く言った。


< 33 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop