異能者達の宴~夢の競演特別編~
俺も昔から変わらない。

多くは語らない。

時には必要な事まで語らずに、誤解を受ける事もしばしばだ。

だが、乙女は違う。

こいつは俺が皆まで語らずとも、俺の真意を即座に察する。

「わかった。早目に頼むぞ」

彼女はカタナを両手で握り締め、哲平とかいう少年に突進していった!

哲平もすぐさま攻撃に転じる。

下手投げの要領で、右腕を振る。

その動きと同時に、地を這うような炎の波が発生した!

これを。

「はぁっ!」

乙女はカタナの一閃で断ち切る!

オオワザモノと呼ばれる銘刀と、乙女の技量。

二つが合わさる事で、形のない炎さえも両断する事が可能となる。

間合いを詰める乙女。

だが哲平も彼女を近づけまいとする。

拳を地面に叩きつけ。

「!!」

地面から吹き上げるような火柱を発生させる!

思わず急停止する乙女。

そこへ。

「ぐぅっ!」

哲平の後ろ回し蹴りが炸裂した!

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