俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

辺りを注意しながら気にして進むと、裏口を抜けて商店街の通りへと出てしまった。

目の前には、あのお洒落なパン屋さんがある。



まだ来てないかな…。



立ち止まってその周辺をキョロキョロと観察する。

目の前のパン屋さんにもう一度視点を合わせた、その時。

パン屋さんのドアがガチャンと開いた。



「…あっ」



そこには、パンが入った紙袋を手に店から出てくる、待ち合わせの人物がいた。

彼も、道路を挟んだ向こうに俺がいることに気付いたようだ。



「あ、学校お疲れさまー!」



道路越しに呑気に手を振ってくる。

お買い物していたんですか…。

敵に阻まれタイムロスし、待たせていないか心配したので、ホッとした。



「美味しいパスタが食べれる店あるんで、行きましょー!」

「…とりあえず、今そっちに行きます」

道路越しで大声で会話続けるのも、何ですから。



…こうして、突然のお誘いに、突然の集合で合流。

綾小路室長の車は、パン屋の駐車場に停めてあり、二人で車に乗り込み、出発することとなった。



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