俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「知り合いの店なんです。今日のランチメニューはパスタだそうで」
車を走らせながら、綾小路室長はご機嫌にこれからの行き先を教えてくれる。
「伶士くん、パスタは大丈夫かな?」
「は、はい。好きです」
「そうですか!DKだからなずなみたいに『肉じゃないと嫌だ!』って言われるかとヒヤヒヤしてたけど」
「い、いえ」
「…ま、伶士くんも知ってる場所だと思うけど」
「え?」
しかし、綾小路室長の言うとおり。
走ること、十分ほど。
車は徐々に見慣れた景色の道を走っており、見慣れた建物の前で停止した。
え、ここって…!
「さぁー着きましたよー」
「…ここ、室長の知り合いのお店なんですか?!」
「うん。正確には、風祭の嫁の叔母の店です」
「…えぇっ!」
風祭さんのお嫁さんの叔母さんの店…何か遠い知り合いだな。
しかし、さっきの話から、数回通ってることには違いない。
「…まあ、『仲間』の店、ですかね?」
ついつい呆然としてしまう。
ここ…俺もお馴染みのカフェ。
ペンタグラム…!