俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

「…『星見』とは、本命星、九星紀学に基づき、人の運勢を占う占星術者。…と、一般には言われていますが」

「…占い師、ですか?」

「占い師は占い師。だけど…星砂の場合は、天に輝く星の軌道を読み、霊力を使って未来を予言することが出来る。的中率の高い、具体的な未来を。占いだなんてレベルではありません。占いだけなら陰陽師でもできます」

だから…予言者、と言ったのか。



「…だから、この希少な特別な力を持っている星砂は昔、大変な思いをしていました。この予言の力を我が物にしようと、いろいろな方面の勢力に狙われ…当時、星砂の恋人だった悠介は、霊力を持ちながらも宙にぶら下がっているだけのもので、使いこなすには至らず…」



そう呟きながら、綾小路室長はカウンターでランチの準備をしている星砂さんの姿を遠くから見つめる。



「…それを救ったのは、なずなの父、優さんです」



そこで、思わぬ名前が出て来て。

ハッとして綾小路室長の方を向いてしまぅた。



「なずなの父?…音宮のおじさんが?」


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