俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
しかし、竜堂も黙って指をくわえて見ていたワケではない。
彼は彼なりに、彼女を護ろうとした。
『…もう見てられなくて、戦いに首突っ込むなとか、忠告はしたよ。…でも、アイツはやめねえの』
…彼女は、内気でドジで勉強も出来ない。
パンを焼く以外、なんの取り柄もない。
だけど、そんな彼女が自分にしか出来ないことを得た。
人の命を救う為の力を。
どうやら、この力と戦いを潜り抜けて、それを実感してしまう成功体験があったようだった。
『…こんな私でも人の役に立てる、ってさ。パン焼く以外にあんなに頑張ってる姿、初めて見た』
しかし、人の役に立てるとか、ひたむきに頑張ってるとはいえ。
このままじゃ、いつか死んでしまう。
いったい、どうしたらいいんだ。
考えろ。
自分に出来る事は、何だ?
何が出来る?
…考えろ。考えろ。
考えるんだ。
しかし、考えたって。
力を持っていない人間には何も出来ない、抗うことの出来ないこの世界。
自分に出来ることは、はっきり言って…何もなかった。