俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「麗華、どこ行くんだろ…上かな」
また同じ事を兄貴が横で呟いた。
上?
上と言えば、客室とか…あと、最上階のラウンジ?
しかし、一人でそんなところに行くなんて、考えられることは…。
(…誰かと会う?)
密会?
と、いうのが一番頭に過ぎることで。
しかし、隣にいる身内は俺と同じ事を考えていたようだ。
だが、俺とは違い、途端に焦りの表情を見せる。
「なっ、麗華ひょっとして…男とこっそり!」
「………」
もしかして、麗華さんがこんなパーティーの最中に男と密会すると思ってんの?
ガクッときてしまう。めでたいというか、何というか。
「兄貴…麗華さんがそんなことするわけないだろ。こんなパーティーの最中だぞ?」
そうだ。自分の主催しているパーティーの真っ最中だぞ?
そんな中、男とイチャつくなんて、兄貴ならともかく頭の固い麗華さんがそんなことをするか。
時と場所を弁えてるに決まってるだろ。
(………)
…だからこそ、ますます違和感を覚える。