俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
頭の固い麗華さんが、自分主催の責任あるパーティーを抜け出してまでも、密会せねばいけない人物…?
そんな人物、誰?
そんな事を考えながら、麗華さんがエレベーターを待っているその様子を黙って見守っていた。
本当に、違和感が止まらない。
俺達のいるカフェは、麗華さんのいる場所からは視界に入るはずなのに。
いつも周りを良く見てる麗華さんが、俺達に気付かないなんて。
余程焦ったり急いでいるのか?
それとも…。
「れ、麗華に声かけてくる!」
「…あ!兄貴待って!」
…余程、兄貴が嫌なのか?。
なんてね。
「…あ、兄貴!」
しかし、待てと言ったにも関わらず、兄貴はカフェを飛び出していく。
だが、麗華さんは同時に到着したエレベーターに乗り込んでしまい、姿を消してしまった。
兄貴の「ああぁぁ!」という焦燥の悲鳴が響く。
「れ、伶士!何で待て言うの!麗華行っちゃったでしょ!」
「逆に何で兄貴が麗華さんのプライベートに踏み込んで行くんだ!麗華さんの用事だろ!」