俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
急に顔を近付けられると、思わず体を退いてしまう。
少し迫力というものを感じてしまった。
想いを殺す?
そう指摘されると、改めて自分の考えていたことを思い返してしまう。
俺…諦めようとしてたのか。
「…せっかく芽生えた想い、どうか大切にして下さい」
そう言って、ペコリと軽く頭を下げられる。
「い、いや、そんな…」
「…まあ?ミッション遂行中に、思い余ってチューしちゃうぐらいですから?そんなタダで諦められないと思いますけどねー?普通は」
「知ってたんですか…!」
「むふふ。若いって良いですね。…もし、優さんが知ったら死刑モンですよ?娘命ですから。なずなが連れてきた男に『娘はやらん!帰れ!』と追い返すのが夢だと言ってましたねー?…どうでもいい夢ですが」
「………」
じゃあ、俺…おじさんに死刑にされる?
やば…。
今後のことに真っ青になりながらも。
…ついつい笑みが漏れてしまったのは、言うまでもない。
死刑にされるのに。