俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

「こいつらの邪魔をするな!…伶士!」

「…うるせぇぇっ!邪魔するなぁぁっ!」



しかし、一番身近だからこそ反発しやすくて。

突然現れた、自分の親父相手に怒鳴り返して、その手から逃れようと一層藻搔く。



「邪魔はどっちだ!なずなはこいつらに任せておけ!…おまえは何も出来ない!」



俺は…何も、出来ない?



「…うるせえぇぇっ!…親父言えども、邪魔すると殺すぞぉぉ!」

「え…」



親父が怯んだ隙に、その腕をおもいっきり振り払う。

突き飛ばして跡を追おうとしたが。



「待って。伶士くん」



俺の目の前にまた、スッと静かに立ちはだかる。

同時に、顔面スレスレに掌を見せられ、何故かガクンと動きを停めてしまった。



「…伶士くんが責任を感じてくれていることは、わかった。でも、ここは俺達に任せてほしい」

「あ…」

「それに…可愛い息子に『殺すぞ』って言われたら、社長泣いちゃうし?」

「こら菩提!」

「………」



何だ…?

菩提さんが、真ん前に現れた途端。

俺、動きを殺された…?


< 366 / 528 >

この作品をシェア

pagetop