俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「こいつらの邪魔をするな!…伶士!」
「…うるせぇぇっ!邪魔するなぁぁっ!」
しかし、一番身近だからこそ反発しやすくて。
突然現れた、自分の親父相手に怒鳴り返して、その手から逃れようと一層藻搔く。
「邪魔はどっちだ!なずなはこいつらに任せておけ!…おまえは何も出来ない!」
俺は…何も、出来ない?
「…うるせえぇぇっ!…親父言えども、邪魔すると殺すぞぉぉ!」
「え…」
親父が怯んだ隙に、その腕をおもいっきり振り払う。
突き飛ばして跡を追おうとしたが。
「待って。伶士くん」
俺の目の前にまた、スッと静かに立ちはだかる。
同時に、顔面スレスレに掌を見せられ、何故かガクンと動きを停めてしまった。
「…伶士くんが責任を感じてくれていることは、わかった。でも、ここは俺達に任せてほしい」
「あ…」
「それに…可愛い息子に『殺すぞ』って言われたら、社長泣いちゃうし?」
「こら菩提!」
「………」
何だ…?
菩提さんが、真ん前に現れた途端。
俺、動きを殺された…?