俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

(………)



同時に勢いも殺されたのか。

そのまま作動停止したかのように、立ち尽くすしかなかった。

頭の中も、真っ白に…。



俺は…俺は、ただ…。



ボーッと立ち尽くす。



「…あー!…親父、伶士怒らせたらダメだよー!」



兄貴のどうも能天気な声が聞こえた。

こっちに駆け寄ってくる。



「もう、伶士も怒らない怒らない!」



そう言って傍にやってきた兄貴は、「よしよし」と俺を宥めるように背中を摩ってきた。

その手は、じんわりと温かくて。



「よしよし。伶士だって、何かしなくちゃと思ったんだもんね?…よしよし」

「………」



そうだ…。

俺、何かしなくちゃいけないと思って…。



俺のせいで、なずなが倒れてしまった。

…いや、今までの経過を見ていたら、菩提さんの言ってることだって、間違いじゃないんだけど。

でも、どうしても、俺の責任だと思わずにはいられなくて。

罪悪感でいっぱいで。

何かをせずにはいられなかった。


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