俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「本当は、いつまでも弟が可愛いんだからね?」
「…ありがとう」
「それにしても、親父の顔傑作だったな。伶士に怒鳴られてショック受けてた…ぷぷっ」
「………」
あの時の勢いとはいえ、親父に『殺すぞ!』と怒鳴ってしまった…。
これ、要謝罪会見じゃないだろうか。
だが、タイミング良く、その謝罪会見の相手がこの屋上に現れた。
「お、伶士。ここにいたのか」
「………」
親父だ。
さっきのこともあり、顔合わせるの気まずいな…と、思っていたが。
親父に続いて現れた人の姿を目にすると、そうも言ってられなかった。
先程、大魔王のような悪者ヅラをしていた、あの人だった。
ボス。
(菩提さん…?)
何となく、背筋が伸びてしまった。
すると、様子を伺う間もなく、親父は俺に告げる。
「…これから、なずなが病院搬送される」
「えっ…!」
なずなが病院…!
って、これは予想していなかったことではないが。
親父の横にいる菩提さんが、今の発言の補足をしてくる。