俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

「玲於奈の治癒術式で解毒は完了したよ。もう大丈夫。命の心配はない」

「そうですか…!」

「でも、毒の影響で体が衰弱しきっていて、体の傷は十分に治りきらなかった。まだ意識も戻ってない。だから、今から病院に連れてって療養させることにしたんだ」

「え…」

意識が戻って…ない?

「大丈夫。そのうち目覚めるよ」

菩提さんはそう話すが。



取り敢えず、命は無事なんだな。

ホッとして肩の力が抜けた。

兄貴には横で「よかったね」とニコッと笑って言う。



…しかし。

ここで、予想だにしなかった事を、親父に申し付けられる。



「伶士」

「…はい」

「おまえも一緒に行って来い」

「…え?」

「…おまえも菩提と一緒に。なずなの病院に付き添って来い」

「え…」



つい、聞き直してしまった。



俺も一緒に、なずなの行く病院に…?



「…え?…え?何で?」

「何でっておまえ。心配じゃなかったのか。あれだけなずなを病院に連れて行くって言い張ってただろ。俺に『殺すぞ』言うぐらい行きたがってたのに」

…根に持ってますか?



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