俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

ああぁぁ!これ、何の技?!どうしよう!結界?不動縛?それとも!

社長、社長を護らなければ…!



…もう、遅い。



頭が完全に真っ白になってしまった私と、私を腕に庇う社長の前には、襲いかかる黒いモヤがもうすぐそこに。



…いや。



『…なずなっ!士朗っ!』



その間に、飛び込んでくる親父…。



『…優っ!』



…何が起きたのか、わからなかった。



黒いモヤの技は、轟音をあげて、飛び込んできた親父にブチ当たって。

親父はそのまま崩れ落ち、地に横たわって動かない。

いつの間にか、黒い翼の男は姿を消していて。

『…優さん!…何があったんだ!今の男は…!』

代わりに剣軌がやってきた。



…それでも、親父は起き上がることが出来なくて。



『…なー…なずな……なずな……』



息絶え絶えでうわ言のように、私の名前を呼ぶ。

意識が朦朧としている…。
.


(あ…ああぁぁ…)



事の状況がわかってくると、途端に血の気が引いてくる。



『…親父っ!…親父っ!』



親父は、私達を背に庇って!

代わりに攻撃を受けた!


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