記憶シュレッダー
お祖父ちゃんの話が本当だとすれば、お祖父ちゃんはこの人のことを忘れているということになる。
「伯母さん、この人って……」
「お祖父ちゃんの友達よ。ずっと仲が良かったんだけど、海の事故で死んでしまったの」
「海の事故……」
「あの時はお父さん、随分落ち込んでたわ。ずっと立ち直ることができないんじゃないかってみんな心配してたけど、ある日ケロッとしててびっくりしちゃったの」
「……まるで、この人のことを忘れてしまったみたいに?」
質問しながら、心臓が早鐘を打ち始める。
「よくわかったわね? そのとおりよ。お父さんになんどこの人のことを質問しても、『知らない人だ』って言うようになったの」
やっぱり、そうなんだ……!
「みんな心配したけど、それでお父さんが元気になったんだから様子を見ることにしようってことになったの。でも、それ以来、お父さんが友達のことを思い出すことはなかったみたい」
「伯母さん、この人って……」
「お祖父ちゃんの友達よ。ずっと仲が良かったんだけど、海の事故で死んでしまったの」
「海の事故……」
「あの時はお父さん、随分落ち込んでたわ。ずっと立ち直ることができないんじゃないかってみんな心配してたけど、ある日ケロッとしててびっくりしちゃったの」
「……まるで、この人のことを忘れてしまったみたいに?」
質問しながら、心臓が早鐘を打ち始める。
「よくわかったわね? そのとおりよ。お父さんになんどこの人のことを質問しても、『知らない人だ』って言うようになったの」
やっぱり、そうなんだ……!
「みんな心配したけど、それでお父さんが元気になったんだから様子を見ることにしようってことになったの。でも、それ以来、お父さんが友達のことを思い出すことはなかったみたい」