記憶シュレッダー
「シュレッダーにかけたから……」


「え? シュレッダー?」


首をかしげる伯母さんにあたしは左右に首を振った。


「そういえば、お父さんは大切にしているシュレッダーがあったのよ。あれはまだ残ってるのかしら?」


そう言って部屋の中を見回す伯母さん。


「ないよ!」


あたしは咄嗟に叫んでいた。


「え?」


伯母さんは驚いた表情をあたしへ向ける。


伯母さんまで巻き込むわけにはいかない。


あのシュレッダーを見てしまえば、きっと伯母さんも虜になってしまうだろう。
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