最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~
そうしているうちに、旬の野菜を使った前菜や新鮮なお造りなどが次々運ばれてくる。食事を始めてからも、和やかなムードは変わらない。
美味しい料理を堪能し、メインのレアステーキをいただいているときに慧さんの話になった。しばし仕事について話し合ったあと、私の父がやや真剣な調子で言う。
「慧くんはやはり抜きんでた逸材ですよ。ゆくゆくはエムベーシック全体の舵を取ってもらいたいという思いはますます強くなっているのですが、畔上さんも後継者の考えはお変わりありませんか?」
それを聞いた私は目をしばたたかせた。父が慧さんに跡を継がせようとしているなんて初耳だから。
でも今の話しぶりと、慧さん本人とお義父様が落ち着き払っている様子からして、ふたりは知っていたらしい。お義父様は穏やかな表情を変えずに、「ええ」と頷く。
「血筋に関係なく、能力のある者が上に立つべきだと今も考えています。なので、慧を跡取りにしたいとは思っていません。慧が存分に力を発揮できるのも、御社にいるときでしょうから」
実は、お義父様も有能なコンサルティング会社の経営者なのだ。
美味しい料理を堪能し、メインのレアステーキをいただいているときに慧さんの話になった。しばし仕事について話し合ったあと、私の父がやや真剣な調子で言う。
「慧くんはやはり抜きんでた逸材ですよ。ゆくゆくはエムベーシック全体の舵を取ってもらいたいという思いはますます強くなっているのですが、畔上さんも後継者の考えはお変わりありませんか?」
それを聞いた私は目をしばたたかせた。父が慧さんに跡を継がせようとしているなんて初耳だから。
でも今の話しぶりと、慧さん本人とお義父様が落ち着き払っている様子からして、ふたりは知っていたらしい。お義父様は穏やかな表情を変えずに、「ええ」と頷く。
「血筋に関係なく、能力のある者が上に立つべきだと今も考えています。なので、慧を跡取りにしたいとは思っていません。慧が存分に力を発揮できるのも、御社にいるときでしょうから」
実は、お義父様も有能なコンサルティング会社の経営者なのだ。