独占欲強めな外科医は契約結婚を所望する
「や~、いらっしゃい。あなたが小田切くんですか。はじめまして、愛花の父です。しかし、愛花から聞いてた通りのイケメンだ」
「どうも、祖父です。ああ、本当に男前だ。わしの若い頃そっくり」
お祖父ちゃん、初対面の人が反応に困る冗談を言うのはやめて……。
ハイテンションで小田切先生を歓迎するふたりに私はさっそく頭痛を覚え、隣りに立つ彼の反応をちらりと盗み見る。
「はじめまして、愛花さんと同じく小田切総合病院の脳神経外科に勤務しております、小田切純也です。これ、お好きだと伺ったのでよかったら」
小田切先生はニコニコとそつなく挨拶し、手土産のどら焼きを差し出していた。
いつもは〝愛花先生〟なのに、今日は〝愛花さん〟か。変な感じ……。
とりあえず、うちの家族にそれほど引かれてはいないようだ。仕事柄、色々な患者さんやその家族と接するので、変な人にも慣れているのかもしれない。
いったん自室に向かった祖父と別れ、父と三人で居間へ移動すると、普段はお目にかかれない高級寿司がテーブルに並んでいて、その気合の入りように驚いた。
今まで、誕生日でもこんなすごいお寿司頼んでくれたことないのに……。