背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
 片付けを済ませた彼が、ソファーへと近づいてきた。

 きっと、使った物は直ぐに片付けろとか、部屋は綺麗に使えとか言うのだろう。

「なあ……」


 ほら、やっぱり。テレビも見ちゃダメって言うのか?


「なに?」

 私は、小さくため息を交えて答えた。


「まだ時間早いし、ちょっと出かけないか?」


「はあ、今から?」


 あまりに予想外の言葉に、きっと間抜けな顔をしていると思う。


「ああ、明日は日曜だしいいだろ?」


 正直、食事の後出かけるなんて面倒臭い。できれば、このままテレビ見てゴロゴロしていたい。
 頷けずにいると。


「直ぐ出かけるから準備して来いよ」


 もー、勝手に!

 仕方なく、部屋に戻るとスーツケースを広げた。
 黒地にベージュの切り替えのある、ハイネックのノースリーブのニットワンピに着替える。髪の毛のメークも整えた。


 カバンを持ち、リビングに向かうと、彼も着替えを済ませ待っていた。

 私を見ると、少し目を開いた後に笑みを見せた。

 彼は何てことない、Tシャツとパンツだが、上手く着こなしていると思う。モデル並みのスタイルと顔立ちなのだから仕方ないか……
 見た目のあまりいい男と歩くと、自分と不釣り合いで気が重い。


「行くか」

 立ち上がって歩く彼に続いて、マンションを出た。

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