背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
「じゃあね、美月。また、連絡するわ」

 真紀は、大きく手を振って、迎えに来た智也さんの元へ走って行った。

「うん。色々ありがとう」

 私も、真紀の背中に手を振った。


 平日とは言っても、到着ロビーは飛行機から降りた人や出迎えの人で混雑している。
 無意識にあたりを見回した。
 私は、何を期待しているのだろう……
 迎えの約束なんてしていないのに……


 プルルルル…


 さっき、機内モードから戻したスマホが鳴った。
 少しばかりの期待を胸にカバンからスマホを取り出した。

 画面には、パパの名が光っていた。


「もしもし」

 少しばかりがっかりした声に、自分でも驚く。


「美月か? 無事戻ってきたのか?」


「なんで知っているのよ?」


「悠麻君から聞いた。家の改修工事が意外に早く終わったんだ。昨日から私達も家に戻っているんだよ。美月に電話しても繋がらないから、悠麻くんに電話したらグアムだっていうから」


「ええっ! 終わったの、工事?」

「ああ、だから美月も帰ってきていいぞ。まだ、成田なら家の方が近いだろ?」


「う、うん。でも、荷物も置いたままだし……」


「それなら、明日、私が取りに行ってもいいぞ」

「えっ? ああ、そう……」


 私はスマホを切った。
 家に戻る?
 私は、彼のマンションに帰るつもりで、何の疑いもなく飛行機から降りたのだ。
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