背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
 何度も、美月を揺さぶってみるが、裸のままの彼女は目を開けようとしてくれなかった。

 別れると言って、そのまま裸で寝る女が、この世に居るのだろうか? いや、ここに居る……

 そのまま眠りに着くことが出来ず、俺の横で深い眠りについてしまった美月の顔を見つめた。

 別れるなんて、絶対に嫌だ。なんとかしなくてはいかん……


 一睡もできないうちにカーテンの隙間から、うっすらと光が漏れだした。気付けば、俺の腹の上に美月の片足が乗っかっていた。

 いままで色んな別れ方をしてきたが、こんなにさらけ出したまま眠っている女は居なかった。というか、別れたくないと思った事も始めてだ。

 俺は、そっと美月の足を下ろすと、布団をかけ直した。起こさないように、おでこにキスをするとベッドから降りた。

 やっぱり、ちゃんとしないとな。



 思ったより難しい…… バランスよく、崩さないように。大きな音を立てたら美月が起きてしまう。


 準備が整った時には、クタクタだった。でも、我ながらこの出来栄えに満足している。周りのごみを片付けて、綺麗に整えた。

 寝室から、ガタガタと物音がした。起きて来たようだ。


「おはよう。休みなのに早いわね」

 寝室のドアが開き、ちょっと長めのTシャツを羽織っただけの美月が、まだ眠そうな顔を覗かせた。

「おはよう」


 俺の声に、美月が顔を上げた。

「えっ! 何これ? どうしたの?」

 美月が、目を丸くして声を上げた。
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