背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
 「全く、お前達は…… 悠馬くんと美月にもう一度、見合いをさせるって言ってくるし。美月は、悠馬くんと結婚するから協力して欲しいって言うし。面倒臭い話になって、参ったよ。年よりに負担をかけるもんじゃない」

 そうなのだ。私はママ達をこのホテルに呼ぶ為に、おじい様に見合いの設定をお願いした。

「ええ! ママ達、また悠馬さんとお見合いさせようとしていたの?」


「だって、美月の事を理解して大切にしてくれる人は、悠馬さん以外に居ないでしょ? それで、お義父様はこのホテルを指定したんですね」

 ママが、納得したように頷いた。


「今回の事で、一番苦労したのは康介くんだろう? こんな急に、式場の調整するのは大変だっただろうに」


「いえいえ、おめでたい事ですから。二人の気持ちが変わらないうちにと思って、最短でご用意出来る日程を組ませて頂きました。この度は、おめでとうございます」


「しかし、こんなに急がなくてもいいものを……」

 彼の父が、少し呆れたように言った。


 私は彼と目を合わせて頷いた。

「おじい様」

「何だ? 美月。とっても綺麗だよ。おめでとう」

 おじい様は、目を細くして嬉しそうに笑った。


「ありがとう、おじい様。良かったね。ひいおじい様に別荘へ連れってもらえるのよ」

 私は、自分のお腹に手を当てた。彼の手が、優しく肩を抱いてくれた。


「まさか、美月……」

「うふっ。三か月だって」

「おおっー」
「まあっ」

 歓声が上がった。

 おじい様が、杖を放り投げて万歳した。
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