背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
 そっかぁ…… 
 確か、この部屋の家具をデザインしたのは彼だって言っていた。
 失礼な事いっちゃったのだろうか? 
 なんだか少し気になった……


 そして、康介さんは、部屋の中の細かい説明をしてくれた。
 お風呂の使い方から、ルームサービスまで。
 きっと、宿泊のお客様への癖なのだろうと、その時は思っていた。


 部屋の案内が終わると、リビングのソファーに座っていた彼の父が立ち上がった。

「美月さん、どうです? 気に入りましたか?」


 彼の父が、にこやかに声をかけてきた。


「ええ。凄く素敵です。一度でいいから宿泊してみたいです」

 私も、素直に返事をしたが、気に入る? 
 どういう意味だろうか?


「美月さんも気に入ったようで良かった。それなら、宿泊してみればいい。」


 彼の父が、不思議な発言をした。

 私は返事に困り、首を傾げてみるだけだ。


「それは、いい考えだわ」


 彼の母が、目をキラキラさせセカンドバッグを持って立ち上がった。


「いいんですか? こんな素晴らしいお部屋をご用意して頂いて」


 パパも、立ち上がった。


「良かったわね、美月。こんな素敵なお部屋、もう二度と泊まれなくてよ」


 ママも、セカンドバッグを持って立ち上がった。


 はい? 
 皆さんの会話の意味がわかりません……

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