背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
「美月、ちょっといいか?」

 パパの言葉に、寝ころんだまま顔を上げた。


 うわーっ。マジか……  
 数年に一度だが、両親そろって話があると言う時は、大抵良い話ではない……

 嫌な予感がする…


 起き上がった方がよさそうな雰囲気に、取り合えず体を起こした。

 一体何があったのだ?
 とうとう、パパの会社が潰れたか? まあ、このおっさんだ、仕方ないかもしれない……

 もしかして、おじい様に何かあったのか? もう、八十歳になる。体調が悪くなるのも仕方ない……


 それなりに覚悟を決め、一応背筋を伸ばし向かい合った。

 同時に、ママがテレビのリモコンに手を伸ばした。一気に部屋の中は静かになる。

 あー、この番組、見たかったのに……

< 4 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop