背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
「あっ……」

 なんか、やばい感じ……

 胸の鼓動がだんだん早くなる。
 私の動きは止まったはずなのに、彼は抱きしめたまま離してくれない。
 はだけたバスローブから、彼の胸に直接頬が当たっている。
 暖かい……



「もう、限界だ……」

 彼は、私の耳元で少し切羽詰まったように言った。


「な、何が?」


 私は彼の胸から離れようと力を入れた。


「あんたの身体、綺麗すぎるんだよ……」

 そう言った彼の目は熱く、私を見つめてきた。

 整った綺麗な彼の顔を、私の目も逸らす事を出来ずにいる。



 何か言い返そうと思うのに、言葉が見つからない。その唇を、そっと塞がれてしまった。


「うっ……」



 唇を離そうと力を入れたのに、逆に彼の力強い手に引き寄せられてしまった。

 そして、彼と私の間にあったシーツを引き抜いた。


 私の胸は、彼の胸にぴったりと押し当てられている。

 そのまま、優しくなんどもキスを繰り返され、抵抗しようとしていた手の力が抜けてしまう。


 彼の体重がのしかかってきて、気づけばベッドに寝かされてしまった。


 彼は、ベッドに両手を付き、顔を上げた。


 重なった身体に間が空き、彼からしっかりと私の体が見える形になった。


「こんな綺麗な女を見たのは初めてだ……」


「そ、そんな事言われたって嬉しくないわよ!」


 恥ずかしさのあまり、顔を逸らせて言った。



「いや、色んな女を見てきたが、あんたが一番綺麗だ……」


「ばか! なんの自慢にもなってないわよ! この、女ったらし!」


 私は、逃げだそうと、彼を押し倒すように手を伸ばしたが、逆に手を取られてしまった。


 両手を彼に抑えられたまま、彼は、又、優しいキスを繰り返し始めた。
 やっている事は強引なのに、キスは優しくて、不思議な感覚になってくる。

 少しずつ深くなっていく唇に、どうする事も出来なくなっていた。


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