しかくかんけい!
ああもう、と優雅に髪をかき上げた愛莉からふわっとローズの香りがする。
「いい香りだねぇ愛莉の髪~」
「……もういいわ。天然バカの耳に念仏」
なんだそれっ。
「それを言うなら、馬の耳に念仏だよ!」
「突っ込むところそこ?もう、ハナってば超おバカ〜」
もーう、愛莉のイジワル!
さっきからバカバカって、さすがにちょっと傷つくよ、私のガラスのハート、案外薄いんだからね。
「もー、愛莉は一体どっちの味方なの?」
「どっちって、もちろんハナよ」
「うっそだー」
「ほんと。おバカで鈍感なハナだけど、その純粋にしょーくんを想う気持ちは人一倍でしょ。私はそんなハナを、最初から応援してきたじゃない」
「あ、愛莉…!じーんときた!心の友よ!」
真剣な顔でそう言われると、抱きつきたくなっちゃう。
「あ、ハナの耳に念仏だけど、これだけは言わせて」
「な、なあに?」
前半部分の発言に突っ込みたい気持ちよりも、
愛莉の“これだけは言いたいこと”の方が気になった。