しかくかんけい!


「愛莉が欲しいからだよ」

「っ……」


そ、と彼女の白く滑らかな頬に触れる。


びく、と身を震わせるから、

その緊張をほぐすように、優しく撫でる。


「ねえ、知ってる?」

「……やめて」


そんな蚊の鳴くような声で否定するのは、逆効果だよ?


「俺が遊びやめたのも、ハナとそらっちを探ったのも、ミスコン出場したのも全部、君を手に入れるため」


触れるか触れないかの瀬戸際でその頬から耳にかけてするりとなぞり、髪をかける。

こうして触れて、瞬きも許さないほどに見つめれば、女はすぐに落ちるのに。


「やだ」


顔を背けて逃げようとする彼女を離すまいと、じわじわ距離を詰めて。

とん、とコンクリートの壁に彼女の背中がぶつかる音がして。


「こんなに本気なのに、どうして俺のになってくれないの?」


そのままゆっくり、やさしく、

彼女の首筋に指先を這わせる。


んっ、と小さく声が漏れて、

は、と口を抑える彼女はすごく可愛い。


いい、音色《こえ》。







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