しかくかんけい!


知っている。


そらっちのこと、どんだけ愛してるのかなんて、百の承知だよ。


でも、それでも、いいから。


この空虚を、埋めてよ。




「……は、何言ってるの……」


驚いた表情で、俺を凝視する。

しかし即時、何かを納得したようにふっと口角をあげた。


「そうね、あなたはそんな人だったわ」


そんな人、って。

いい気はしないけれど、愛莉が今想像している通りでほぼ間違っていないと思う。


「気に入った相手はどんな形でもそばに置きたいっていう、歪んだ人」

「言うね」

「ええ。羨ましいわ」

「……羨ましい?」


空っぽになるのを恐れて欲望のままに虚しさを満たす俺のどこに、羨ましい要素がある?


つくづく掴めない愛莉の考えに、焦燥と興奮が胸で騒ぐ。


「私だってそう思えたら、こんなに苦しい思いしなくて済むのに」

「……苦しい思い?」

「幼馴染じゃイヤだし、私だけを見て欲しいし、他の人の隣になんていかないでって、そんな感情ばかりが心を独占する」




< 289 / 433 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop