しかくかんけい!
「それなら初めから、自分の気持ちに素直になって、真正面からぶち当たればよかった」
変形するのを恐れずに、と付け加えて、ふう、とまた仰向けになる。
当たって砕けたほうがマシだった。
この四角形のベクトルを、力任せにでも、無理矢理にでも、変えようとすればよかった。
「ほらね。私、綺麗でも大人でも優しくも器用でも、ないでしょ?」
「っ、な、なんか意味違うっていうか……」
見た目とか振る舞いとかだよ、とごにょごにょ口ごもりながら彼女も背中をコンクリートにつける。
「これからは、そんな弱い私をちゃんといたわってあげるわ」
「うんっ、そうしてよ。これからはお互い、何でも吐き出そうね!」
「うん」
「そしたらきっと、強くなれるね」
きっと、強く、なれる。
もう崩れないように。
私も、この関係も、強く────……