しかくかんけい!


「はいはい。じゃあ、ありがとうとでも言っときなよ」

「そ、そうするっ」


あ、り、が、と、う、送信っと。


「もうハナってば意識しすぎ。今に始まったことじゃないのに」


ふふっと口元に手をそえて笑う愛莉が、今の私には悪魔にしか見えない。

でも、そんな愛莉も好きだったりする。


教室についてからもしょーくんとのやりとりは続いた。


〔B組だったよね?〕

「そ、う、だ、よ。送信っと」

〔もう学校ついた?〕

「つ、い、た、よっと。うふふっ」



「……ハナ、さすがに気持ち悪い」


いちいち愛莉に報告してたら、うざがられて飴玉をもらった。


メッセージが届くたび、胸がキュンってなって仕方がないんだ。

授業中も、お昼休みも、掃除の時間も、ずーっとこのことで頭がいっぱいだった。

なんかもう自分でも気持ち悪いかも。


あっという間に放課後になって、いつものように部活へ向かう。


その間も私の手はスマホを握っていた。


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