しかくかんけい!
ごまかすようにロールケーキをまるまる一気に押し込む。
勢い余って詰めすぎて、んぐ、とむせた私に少し目を丸くした君は、すぐにふっと微笑んで。
すっと手を伸ばして。
ぴっと私の鼻を撫でて。
「ついてる」
その指をぺろりと、舐めた。
「っ…!」
その仕草はすごくすごく、かっこよすぎて、色っぽすぎて、反則だ。
かあっと火照ったのがわかった。
たまらず俯いてケーキだけを視界に入れる。
「可愛い照れ方だこと」
ずず、とコーヒーの音が鳴った。
そんな君は今、すごくいじわるな笑みを浮かべているに違いない。
甘い90分はあっという間だった。
どんどん君への好きが積もってゆく時間だった。
夢のような、時間だった、けど。
『そらっちにしとけばよかったのにね』
あのときのしょーくんの表情が、酷く、苦しそうで。
『彼なら、ハナを大切にできるのに』
切なくて消えそうだった声が、耳にべっとり張り付いて、離れない。
そうしてケーキバイキングのお店を出た私たちは、複合施設になっているこのモールをぶらぶらした。
すると。