しかくかんけい!


「じゃ、帰ろっか」

「えっ」


ばっと顔を上げて、じっと俺を見つめて。

何か言いたそうに、口の形を様々変える。



「……どうしたの、ハナ」


行こう、と手を引く。

けれど、その足はびくともせずに。



「……やだよ……」



それは、とてもとても、

苦しそうな、音。



酷い痛みに耐えているように、

切なく、哀しく、今にも割れて、

飛び散ってしまいそう。


濡れたまつげが、微かに揺れた。



「……どうし「わかるまで帰らないっ!」

「っ、」



散った。


ぱらりと散って、耳に刺さる。




「離さないから!にがさないから!しょーくんがちゃんと目を覚ましてくれるまで、私ずっとここにいるから!」



ぎゅ、と、力強く握る。

まるで絶対に離さないと誓ったみたいに。




嗚呼、もう、なんで。


その音はどうしてそんなにまっすぐなんだろう。

なんて素直なんだろう。

なんて、綺麗、なんだろう。



「……なんで」

「え?」



もう、だめだと、思った。





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