しかくかんけい!
〔はやすぎ〕
たった4文字で胸が踊るのは、かなり重症なんだなと痛感する。
続けて、12時に駅に迎えに行くから、というメッセージが届いた。
「迎えに行くってなんか……デート、みたい」
そう考えたらニヤついた顔が引き締まるわけがなく、ママにしゃきっとしなさいと一喝くらった。
はぁいだかへぇいだか私のこの頬のように緩い返事をして、浮ついた気分のまま玄関で靴を履く。
「いってきまーす!」
気をつけてねー、という声はドアが閉まる音と同時だった。
いつも学校へ行くのと同じ道を歩いているはずなのに、今日は何だか足どりが軽い。
リズムよくスッテプを踏んで進む私をすれ違う人たちは見て見ぬふりするけど、そんなのどうだってよかった。
この浮ついた気分はあの入道雲のようにふわふわですね。
なんて詩人みたいなことを考えていたら、あっという間に目的地が見えてくる。