しかくかんけい!



12時の数分前。

約束した学校近くの駅に着く。


どこまでも青い大空を仰ぐと、ツバメが太陽のシャワーを浴びて生き生きと飛び去って行った。



ピロン♪

しょーくんからだ!


〔うしろ〕


ほぼ反射的に振り向く。


「しょーくん!」


スマホを持っていない方の手を振り、こちらへ近づいて来るしょーくん。


制服じゃない君を見るのは初めてで、思わず見惚れちゃう。



「お待たせ。あの日ぶり、だね」

「そ、そうだね……」


“あの日”のこと、ちゃんと覚えていた。

あのときの光景を思い浮かべて、急に気まずくなる。


……そうだ。

私、謝らなきゃ。



「あの、ごめんなさい!」

「えっ?」

「あの日、ぼ、暴言といいましょうか、そのっ……何か用事があってB組に来たはずのしょーくんに向かって、あんな失礼な対応しちゃってすみません!っお、お見苦しい姿を晒してしまいましたっ」


ぶわっと飛び出してきた私の言葉はやや早口だった。

ちゃんと聞き取れたかなあ……。




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