しかくかんけい!
「何も考えていないように見せかけて実はめちゃくちゃ電波張り巡らせて脳内フル回転してる」
一息で、そう放った彼の声は、鋭い。
「っ、」
思わず足を止める。
人の波が俺を避ける。
セリフが出せないのは、それが正鵠を射た言葉だから。
セリフの代わりに変な汗が出る。
冬のくせに、生意気だ。
そらっちも足を止め、振り返る。
そうして口を開き、息を吸う。
なぜかスローモーションのように見えた。
「考えていることそのまま吐けばいいのに」
ドクン、と、心臓の声が聞こえた気がした。
「そうやって飾るの、やめれば」
かっこついてうざい、と、
消えそうな声で付け加えて、
さらりと前を向き直して、
ゆらりと歩き出すその長身。
スロー再生は1倍速に戻った。
「うわ……」
鈍感だと思っていた。
油断していた。
まさか彼に射抜かれるとは。
でも、なんだか、
彼でよかったと、そう思った。