しかくかんけい!


本気。



『それにあなた、さっき本気って言ったよね?』

『……うん、言ったけど』

『それ、私じゃないから』



後夜祭、体育館裏でのやり取りが、

走馬灯のように脳裏をよぎる。




「“本気っていうのは、もっと臆病よ”」



ぐさりと音を立てて

左胸を一突きした。



音なのに。


形も物体も存在しないはずなのに、

確かに、この左胸の奥にある臓器を、

突き刺したんだ。



「怖いのか、お前」

「……は、」

「きれいなものに触れるのは、大罪を犯すことみたいに思ってるんだろどうせ」

「……っ」

「まあ確かにお前って汚いからそう思ってもらって結構だけど」

「……」


けなすわけでも罵るわけでもない口調。

ただそこにある事実を淡々と述べるように、

さらりと、ありのままに、音を出す。



「けど、ハナはそんなヤワじゃない」


言葉を区切り、息を継ぐ。


「ハナの純白はどんな色のお前でも塗りつぶしてしまえるくらい、真っ白で強い」

「まっしろ……」


黒塗り、ではなく、白。

多色を呑み込めるほど、強い白。




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